桜の名所として名高い奈良県・吉野山。まるでピンクの絨毯のように山肌一面を覆い尽くす約3万本の桜はまさに圧巻で、「千本桜」「一目千本」などと形容されるその光景を一目見ようと、日本だけでなく世界中からたくさんの観光客が訪れます。
吉野山は南北に約8km続く尾根で、標高の低いところから順に「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」の4つのエリアに分けられています。基本的には3月下旬頃に「下千本」から咲き始め、最後に咲く「奥千本」は4月中旬頃まで桜を楽しめると言われていますが、気温などの気象条件によって毎年少しずつ時期が変化します。この記事では、エリアごとの開花時期と、ぜひ立ち寄ってほしいおすすめスポットをご紹介いたします。
下千本エリア(開花予想:3月下旬~4月上旬)|吉野山の玄関口|
満開
標高が一番低い下千本エリアは、例年3月下旬頃から桜の開花がはじまり、4月上旬に満開を迎えます。2024年は3月23日あたりから気温があがっていく予報のため、一気に桜の開花も進んでいくのではないかと思われます。
下千本の桜のみどころ
近鉄吉野駅から山上にあがる「七曲り坂」。つづら折りの道沿いに咲く桜の木々は、まるで吉野山への訪れを歓迎してくれているようにも感じられます。
ここには日本最古のロープウェイ「吉野大峯ケーブル」が運行しており、桜の上を空中散歩できると大変人気です。
また、このあたりは夜になるとライトアップがされるので、幻想的な夜桜を楽しむこともできます。
吉野の伝統の味をお土産に~吉野本葛を使った贅沢葛スイーツ~
下千本エリアにある舟形家は、最高級・吉野本葛を使用した葛菓子が人気の老舗和菓子店です。明治初期の創業当初から変わらない伝統製法を今も守りながら、一つ一つ手作りされた本格的な葛菓子が多数取りそろえられています。
桜の形を摸したくず餅は、粘り気が強く弾力があり、ほどよい甘さが絶品です。見た目にも楽しめるため、お土産にぴったりの一品です。
中千本エリア(開花予想:3月下旬~4月中旬)|一度は見たい「一目千本」の桜
満開
門前町として栄え、土産物屋や飲食店などたくさんのお店が建ち並ぶ中千本エリア。こちらは例年3月下旬に開花し、4月上旬に満開を迎えます。2024年は3月下旬頃まで寒い日が続いたこともあり、例年より少し遅れての開花予想です。
中千本エリアの桜のみどころ
世界遺産にも登録されている「吉水神社」。その境内からは、「一目千本(ひとめせんぼん)」という名のとおり、中千本と上千本の桜を一望できます。この吉水神社は非常に歴史深い神社で、文禄3年(1594年)には豊臣秀吉が盛大な花見の宴を開催しています。その際に豊臣秀吉から寄贈された数多くの宝物は現在も吉水神社の書院内に展示されており、一般拝観が可能なので、ぜひ吉野の歴史に触れてみてください。
お花見のおともにぴったり~吉野地方の郷土料理「柿の葉寿司」~
中千本エリアにはたくさんのお店が建ち並んでいますが、そのなかには柿の葉寿司の専門店も数多くあります。それぞれのお店に創業当初から変わらないこだわりの製法があり、シンプルな素材でありながら味の違いが際立っています。一つ一つ柿の葉に包まれているためさっと取り出して食べやすく、まさにお花見のおともにぴったりです。
上千本エリア(開花予想:4月上旬から4月中旬)|吉野山を一望できる大パノラマ
満開
上千本エリアは標高が一気に高くなり坂も増えますが、下千本、中千本の桜を見渡せる眺望が大変人気です。例年4月上旬頃に開花し、中旬頃に一番の見頃を迎えます。2024年は概ね例年どおりの開花予想です。
上千本エリアの桜のみどころ
上千本エリアにある花矢倉展望台は吉野山の中でも特に眺めが良く、吉野山全体を見渡せる大パノラマはまさに必見です。観光ポスターなどでよく使われている吉野山の写真はこちらから撮影されています。晴れている日には奈良と大阪の県境にある金剛山や葛城山までも望むことができます。
吉野の自然が生み出す「吉野の色」~草木染めCraftそよごの刺し子糸~
上千本エリアにある「草木染めCraftそよご」は、吉野山に育まれた草木を使って染色した刺し子糸が人気のお店です。吉野の水を使い一点一点丁寧に手染めされた刺し子糸は、草木染めならではの優しい色合いとなっています。同じ種類の草木でも採取の場所や使用する部位によって違った色になるため、お気に入りの糸が見つかればそれはまさに一期一会。ぜひお立ち寄りください。
奥千本エリア(開花予想:4月上旬~4月中旬)|吉野の歴史と未来に想いを馳せる
三分咲き【満開:4月12日】
吉野山で一番山奥にあたる奥千本エリアは、上千本よりもさらに標高が高く、桜が咲くのも比較的遅めです。例年4月上旬に開花し、4月下旬頃まで桜を楽しめます。2024年は概ね例年どおりの開花予想です。
奥千本エリアの桜のみどころ
奥千本エリアにある「西行庵」は、紅葉スポットとして有名ですが、実は桜の名所でもあります。ここには、『新古今和歌集』の代表的歌人の一人である西行法師が3年間侘び住まいをしたと伝わる小さな庵があります。西行庵周辺をはじめ、奥千本エリアには植樹区域が広がり、年々成長する桜の木々が来訪者を癒やしてくれます。
まとめ
吉野山には毎年約3万本の桜が咲き誇りますが、下、中、上、奥とそれぞれのエリアごとに桜の見頃が少しずつ異なります。そのため比較的長く桜を楽しめるということもあり、4月は非常に多くの観光客で賑わっています。この記事を参考に、今年はぜひ吉野の桜を見に訪れてみてくださいね。
ふるさと納税でも吉野を楽しむ
吉野町自慢の逸品をぜひふるさと納税でお楽しみください。