老舗酒蔵でありながら、消費者の日本酒離れをきっかけにリキュール開発に挑んだ奈良県吉野町の北岡本店。市場への本格参入から10年も経たないうちに売り上げは右肩上がりで推移し、大手企業との契約にこぎつけるなど絶好調です。
そんな北岡本店の商品開発チームが生み出したリキュールは、王道系から思わず二度見してしまうような斬新なものまで多種多様。そこで、大の酒好き筆者が「こんなリキュールは北岡本店だけでは!?」と度肝を抜かれた、皆様にも知っていただきたい商品をご紹介します。
前編「老舗酒蔵が生んだ吉野発リキュール 北岡本店~きっかけ編~」はコチラ>>>
\北岡本店のおすすめ商品はこれだ!/
ゴロゴロ果肉が入った 「ほろよいうさぎ」シリーズ
まずご紹介したいのは、主に業務用として販売されており、一般の方は北岡本店直売所(奈良吉野、又は、鳥取工場)でしか購入できない「ほろよいうさぎ」シリーズ。「通販で買えないものを紹介するな」というお叱りを受けそうですが、これはわざわざ直売所を訪れて手に入れる価値がある商品です。
その特長は、なんといっても果肉の多さと食べ応え!レモン・りんご・梨・キウイを試飲させていただきましたが、いずれの味もフルーツがゴロゴロと入っていて、飲むというよりは食べるという印象です。より素材の持ち味を引き出せるよう種類によって果実の加工方法を変えているそうで、よく見るとフルーツは角切りやすりおろし、1粒まるまるなど様々な状態で瓶の中に納まっていました。
一口飲んでみると、どの種類も味・香り共にフルーツそのもの!レモン味なんて、本当にレモンを齧った時のような驚くほどの酸っぱさで、そのままでは飲めないほど。アルコール臭をまったく感じないので、フレッシュフルーツジュースの感覚でゴクゴク飲めてしまいます。
しかし実はアルコール度数が7%もあるので、ストレートやロックで飲む場合はお気をつけください。また、誤って子供が飲んでしまわないよう注意が必要です。
ちなみに、筆者一押しは店頭販売での人気も高いというキウイ味。種のツブツブ食感が楽しい甘酸っぱい味で、サラッとしているのに時々果肉が口に飛び込んでくるのがたまりません!
パールパウダー入りリキュール
「APHRODITE(アフロディーテ)」シリーズ
続いて紹介するのは、北岡本店と世界で最も権威のあるバーテンダー・コンペティションで日本人として初めて準優勝した「BAR猫又屋(栃木県足利市)」のマスター・新井洋史さんが共同開発したパールパウダー入りリキュール。
ギリシャ神話に登場する美の女神の名を冠したこのアフロディーテ。棚に陳列されている状態では特に変わった様子はないのですが、軽く振ると瓶の底に沈殿していたパールパウダーが舞い上がってキラキラと輝くのです!瓶を回すように振ると、上の写真のようにパールが渦を巻き、ずっと眺めていたくなるような美しさです。
現在、5種類がのタイプが販売されているこのシリーズ。奇抜な色合いですが、原材料として「ブラック」は竹炭、「レッド」は赤いハーブティーのクラジェアブデーン、「ブルー」は青い紅茶・バタフライピーなどで色付けされているからこそ出る色合いなのです。種類によって味わいもそれぞれ異なります。
「オシャレだけど、どうやって飲めばいいかわからない…」という方もご心配なく! 簡単に作ることができる、アフロディーテを使ったレシピが裏ラベルに記載されているので、自宅にいながらにしてキラキラと輝くカクテルが作れます。
ホームパーティーでみんなでワイワイ飲むのも良し、瓶の中を舞うパールパウダーを愛でながら贅沢気分で一人飲むのもまた良し。見た目に美しく、美味しくて、他では出会えない珍しいリキュール・アフロディーテ。お酒好きの方に贈れば、センスの良いプレゼントとして喜ばれること間違いなしです。
蟹の身入りリキュール!?「蟹祭り」
こちらは、北岡本店のチャレンジ精神とモノづくり魂が生み出した斬新さの極み、蟹の身入りリキュールの「蟹祭り」という商品。なんと、とんでもない量の紅ズワイガニが入っているのです!(しかも、白出汁入り)。確かに、蟹の出汁しゃぶを頬張ってお酒をぐびり、なんて最高ですが…。どうして蟹と出汁とお酒が1つに合体してしまったのでしょうか…?
聞けば、北岡本店の鳥取工場が完成した際に地元の方が冗談のつもりで口にした「鳥取名産の蟹を使ったリキュールを作ってください(笑)」という言葉で火が付いた北岡本店のリキュール開発チームが試行錯誤の末に完成させたのだそう。北岡本店スタッフの人々の期待に応えようとする熱意とチャレンジ精神には脱帽です。
このリキュール、決して話題性だけを狙ったネタ的な商品ではありません。燗酒やお湯割りはもちろん、ロックで飲んでも美味しいそうです。レモンなどを絞れば、夏でもサッパリと飲めそうですね!
番外編「Effortsやたがらす」シリーズ
最後にご紹介するのは「Effortsやたがらす」というシリーズの商品。こちらはリキュールではなく日本酒なので番外編としてご紹介します。
リキュール開発に力を入れている北岡本店ですが、近年では、代表銘柄酒である日本酒「やたがらす」の商品開発にも心血を注いでいます。2020年夏に、杜氏の夏目さんが自信をもって世に送り出したのがこのシリーズ。「試み」「尽力」「奮闘」といった意味の“Efforts”という言葉には、北岡本店の日本酒に対する思いが込められています。
スッキリした後味の「やたがらす」の特長を持ちながらも、今までとは一味違った味わいを生み出すことができる理由が「アッサンブラージュ」というお酒の生成方法にあります。アッサンブラージュとはワインで使われる手法で、別品種のブドウで造られたワインを複数ブレンドすることを指します。
複数の日本酒を配合して作られたこの商品は、純米大吟醸・大吟醸・純米吟醸・純米酒がラベルに記載されている割合でブレンドされています。単体で飲んでも美味しい4種類のお酒。「純米大吟醸」の香りや、「純米酒」のキレなど、それぞれが持つ良い部分が組み合わさって、これまでにない日本酒に仕上がっています。
Effortsシリーズからは、他にも、幻の酒米と呼ばれる「亀の尾」を使った日本酒や、酒造り向きではない「コシヒカリ」を使った日本酒も販売されています。
リキュールをきっかけに、日本酒にも挑戦してみては?
ご紹介したものの中で、飲んでみたくなるような気になるお酒は見つかりましたか?北岡本店には、美味しくて目にも楽しいリキュールが本当にたくさん揃っています。もしリキュールを飲んで気に入ったのなら、次はぜひ日本酒「やたがらす」もお試しください!
株式会社 北岡本店
【本社・直売所】
住所:奈良県吉野郡吉野町上市61
TEL:0746-32-2777
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日・祝・お盆・年末年始
HP:https://www.kitaoka-honten.com/
【鳥取工場販売所】
住所:鳥取県八頭郡八頭町坂田30(旧船岡中学校)
TEL:0858-71-0316
営業時間:10:00~17:00
定休日・HP:本社に同じ