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風情と快適性が共存する「貸別荘 時乃家」に泊まる

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近鉄吉野線、吉野神宮駅。

吉野山の観光窓口である「吉野駅」の一つ手前にあるこの駅から5分ほど歩くと、まるで田舎のおばあちゃんの家のような古民家が見えてきます。その古民家の名前は「貸別荘 時乃家ときのや」。1日1組限定で宿泊や日中の利用ができる施設です。

静かでのんびりした時が流れる吉野を存分に味わうことのできる古民家「時乃家」の魅力を、旅好きライターの目線でお伝えします!
 

時乃家ってどんな宿?

時乃家は、近鉄吉野神宮駅近くの古民家を改装して2018年に開業した、1日1組限定、一棟貸切のお宿です。

オーナーさんがこの古民家に一目惚れし、「自然豊かな吉野で、ゆっくりと流れる時間や季節を感じてもらえる宿を作りたい!」と決意したことが時乃家の始まりでした。開業までにはお風呂の新設やキッチンのフルリフォーム、畳の張替えなどのリノベーションが行われましたが、そのまま活用できるものには出来るだけ手を加えず、昔懐かしい雰囲気を残しています。

いざ、チェックイン

現在、新型コロナによる感染症の流行を受け、時乃家では予約から退出までをすべて非対面・非接触で完了することができるようになっています。現地に着いたら、予約時に伝えられた暗証番号でキーボックスから鍵を取り出し、いざ入室!

玄関の引き戸を開けた瞬間、広い玄関ホールと振り子時計、桜の飾り造花や木製の棚が目に飛び込んできます。

え、めっちゃキレイ!

古民家というと、どこか湿っぽく籠ったような匂いがするような印象でしたが、全くそんなことはありません。建物全体が明るくて清潔なことが玄関で感じることができました。

まずは利用者全員、検温と名簿記入

思わずあちこち見て回りたい衝動に駆られたものの、まずは正面左手の和室へ。新型コロナが収束していないということもあり、テーブルの上には体温計と名前・連絡先等を記入する利用者名簿が置かれています。安心して利用するためにも、全員検温と名簿記入をしましょう。

部屋の探検スタート!

続き間になっている4部屋の和室は、2部屋が中庭に面しており、玄関側の1部屋横の廊下には外を眺めながらぼーっとするのに最適な籐のテーブルセットが置かれています。道路向かいに見える民家や学習塾の街並みが、吉野に住む人々の生活の中に一気に入り込んだ気持ちにさせてくれます。

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ちなみに、古い建物ということもあって和室の梁は低くなっています。子供や多くの女性は問題ありませんが、身長170cm以上の方は要注意。和室を移動する際、外の景色に見とれて頭をごつん!とならないように注意しましょう。

玄関を入って右手には応接室が設けられています。お客様をもてなすために作られた部屋だけあって、ゆったりしたソファや音楽プレーヤー、暖炉風のヒーターが置かれた落ち着いた空間です。本棚には小説や漫画、図鑑などが並んでいるので、音楽を聴きながら大きなソファで本を読む…という贅沢が味わえますよ!

中庭からの眺め

天気の良い日は広い中庭に出てみるのもおすすめ。片隅に手押しポンプのついた井戸があるので、「井戸水で冷やしたスイカを食べる」という誰もが1度は憧れた(?)体験もできそうです。この中庭、ついBBQや花火をしたくなりますが、残念ながら時乃家は敷地内火気厳禁。吉野の人々の生活圏ということもあり、中庭で騒ぐと声が近隣に響き渡ってしまうので、ご近所さんへの配慮も忘れずに。

食事は作る?買う?

時乃家では食事の提供を行っていないため、自炊か外食か宅配(テイクアウト)といった選択になります。

「古民家の台所って、まさか釜戸?」と少し期待しましたが、時乃家のリノベーションされたキッチンはとても近代的!3口IHヒーターや大型冷蔵庫、ポットにレンジにトースター…一般家庭にあるものは何でも揃っており、1升炊きの炊飯器や高速製氷機といった家庭ではあまり見ない器具までありました。

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大人数で利用する際であれば、卓上用IH調理器や寸胴鍋を使って皆でワイワイ鍋料理やカレーを作っても楽しそう。食器類は子供用も含めて各種準備されており、洗い物をしたくない方のために紙皿も用意されていました。

自炊の場合、調味料は備え付けの物を利用OKですが、食材は自己調達する必要があります。最寄り(約1km)のスーパーでも食材を購入できますが、色々と食材を揃えたい場合は車で隣町の大型店へ買い出しに行く方がいいかもしれません。お茶やジュースといった飲み物は駐車場に設置された自動販売機で買うことができるので、もし足りなくなってしまっても大丈夫!

ちなみに、時乃家にはUberEats等は配達してくれません。「旅先では料理も後片付けもしたくない!」という方は、どこかで購入して持ち込むか、前日までに仕出し弁当の予約がベター。この日私は何の予約もしていなかったのですが、すぐ近くの「来来飯店」さんが当日でも配達可能とのことだったので、キムチ入り焼飯とレバニラを夕食にいただきました。

水回りはピッカピカ

古民家に泊まるとなると、気になるのが水回り事情。時乃家では、最大12人での宿泊も可能ということもあり、洋式の個室トイレが2つ設置されています。しかも、個室内で手を洗ってジェットタオルで乾かすこともできるので、洗面所に行く必要がありません。また、洗面所には洗面ボウルが2つあり、ドライヤーも2台完備されているので、2人並んで手洗いや歯磨き、ヘアドライができますよ!

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浴室はさすがに1つでしたが、浴槽は身長163㎝の私が足を延ばしても余裕のサイズ。洗い場も広かったです。ちなみに、タオル類や洗顔、歯ブラシといったホテルにあるような一般的なアメニティはすべて用意されているので、家からあれこれ持参しなくても大丈夫。女性でも、追加で必要なのはメイク落としぐらいでしょうか。

水回りを見て回る中で私が一番感動したものが、脱衣所用ヒーター。冬の吉野は雪が積もるほど冷える日も多いので、脱衣所を温めておけるのは嬉しい!送風機能も付いていて、夏も湯上りの体を冷やせる優れものです。こうしたちょっとした気遣いがあるだけで、快適度と好感度が大きくアップしますね。

 

チェックアウトは18時!ながーく楽しめる

通常の宿とは違い、時乃家のチェックアウト時間は18時!昼まで寝るのも良し、大きなテレビで映画鑑賞するのも良し。ちなみに私のおすすめは、玄関に止まっている無料貸し出し自転車で周辺を散策するという過ごし方です。

時乃家のあるエリアと北側の吉野川に挟まれた地区は「貯木地域」と呼ばれ、材木屋さんが集中しています。周辺を散策すれば、大きな材木が並ぶ景色や木の香り、木々を颯爽と運ぶ重機の姿といった、都会にはない吉野らしさが感じられます。

また、1.5kmほど吉野山を上ったところにある吉野神宮もおすすめです。早朝に出かければ、静かで荘厳な雰囲気の神宮を独り占めしたような気分に浸れます。自転車であれば、上りは苦しいですが下りは楽なので、吉野のきれいな空気を胸いっぱいに吸い込んで駆け抜けてみてください。

「貸別荘」というだけあって、時乃家は日常を離れてただのんびり過ごすにはぴったりな場所でした。1度泊まってしまうと、またあのただゴロゴロするという時間が恋しくなる…。次回は、吉野観光ではなく時乃家だけを目的に、この地を訪れてしまいそうな気がします。

貸別荘 時乃家

住所:奈良県吉野郡吉野町丹治947
TEL:080-7839-4438(12時~18時)
HP:https://www.tokinoya.info/
駐車場:3台

予約はこちらから!

うぃーだ

うぃーだ

旅と酒ともふもふ動物を愛するアラサー女子。上場企業の広報部や地域情報誌の編集者を経て、「よしのーと」ライターに。

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