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宿泊施設

豊かな自然に囲まれた癒しの空間~太鼓判 花夢花夢~

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時間に追われ、排ガスを吸い込みながら、都会のビル群の中で働く企業戦士。はたまた、育児や介護をしながら終わりの見えない家事をこなし、家庭を守る奥様方。

「はぁ…。疲れたなぁ。」

そう思う瞬間もきっとあるでしょう。ストレスの原因は様々ありますが、解消法の1つとして知られているのは五感を刺激するという方法。奈良県吉野町の吉野山にある「太鼓判 花夢花夢かむかむ」は、視覚や聴覚、味覚に訴えかけて、ストレス社会に生きる人々をリフレッシュさせてくれるお宿です。

 

旅人を出迎えるのは、山の緑と心地よい香り

桜の名所として知られる吉野山には多くの飲食店や宿がありますが、「太鼓判 花夢花夢」が建つのは周囲を自然に囲まれた標高400mを超える静かな場所。左右に木々が迫る曲がりくねった道や、軽自動車だと登れるか不安になる急坂を越えてようやくたどり着ける…そんな緑豊かな山の中です。

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宿の駐車場までたどり着くと、スロープを上った先にある立派な建物が目に飛び込んできます。よく見ると、正面左手の棟は真横に並んだ3つの建物が上に1/3ずつずれたような、少し不思議な形状をしています。これは、傾斜に建物を建てるための「吉野建」という構造なのだそうです。

雨が降っていた取材当日。濡れた土と濃い木のにおいを感じながらフロントのある2階へと階段を上ると、自分の名前が書かれた歓迎プレートが出迎えてくれました。少し嬉しくなりながらチェックインを済ませて案内された客室は、どこか懐かしい素朴な和室。フロントで焚かれていたスミレのお香の優しい香りが部屋まで漂っていて、山道の運転で強いられた緊張が解けていきます。

お茶請けの吉野銘菓・葛干菓子を食べながらお茶をすすれば、気分はもうリラックスモード。さらなる癒しを求めて、筆者は温泉棟へと向かいました。

 

やわらかな湯触りの活性石温泉「行者の湯」

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宿泊棟から渡り廊下でつながった温泉棟は、2011年に完成したバリアフリーの建物。浴室の洗い場に設置された椅子は背が高く背もたれ付きなので、足や膝に不安がある方でも使いやすそうです。

ミネラルを含んでいる活性石温泉は、少しとろっとしたやわらかい湯触り。熱すぎずぬるすぎずの適温なのでいつまでも入っていられそうです。この時は他のお客様がいなかったこともあり、開け閉め自由な浴室のすりガラスの戸を一部開けてみました。

外には絶景が広がっていたわけでも、作り込まれた坪庭があったわけでもありませんが、夕暮れの空気が浴室内に入ってきて、まるで露天風呂のような状態に。広い浴槽を独り占めできたうえに外風呂のような解放感まで味わうことができ、とても贅沢なひと時でした。

ふと時計をみると、夕食の時間が近づいていました。部屋に荷物を置き、再び渡り廊下を通って次は食事棟へと向かいます。

 

贅沢な旬の味覚を味わう創作会席

創作会席料理。この後、天ぷらや茶わん蒸しも提供された

食事会場は、パーテーションで仕切られた大広間。テーブルには、柿の葉寿司やあゆの塩焼きといった奈良らしい一品や、お刺身、煮物、酢の物などが準備されていました。お肉や野菜、マツタケが入ったすき焼きは、着席したタイミングで固形燃料に点火されます。良い香りが立ち上り、徐々に火が通っていく具材の様子を見ながら出来上がりを待つのも、なかなか楽しい時間。

会席料理は、お酒を嗜むために発展してきた料理です。地元料理は地酒との相性が良いので、筆者は吉野の地酒「やたがらす」をいただきました。料理を味わいながらお酒を楽しんでいると、熱々の天ぷらや茶わん蒸しが運ばれてきました。この時点で、テーブルの上には10を超えるお皿がずらり。冷たいものや熱いもの、酸っぱいものや甘辛いもの、出汁のきいたものなど様々な味の料理が目の前にたくさん並ぶ点こそ、コース料理やビュッフェにはない会席料理の魅力ですね。

そろそろ食べ終えようかという頃、お茶漬けが運ばれてきました。三角おにぎりに梅が乗った出汁茶漬けは、お酒を飲んだ後の〆にぴったり。満腹でもさらさらっといただくことができます。

 

静寂に包まれる山の夜

お腹も満たされ、ほろ酔い気分で食事棟から渡り廊下へと出ると、外はすっかり夜になっていました。宿のすぐ近くまで迫る山の中は、人間の目では何も見えないような真っ暗闇。その闇の中からは、時折鳥なのか獣なのかわからない生き物のよく響く鳴き声が聞こえていました。

宿泊棟に戻ると、夕方までは廊下で流されていたゆったりしたBGMが止んでいました。隣室の宿泊者も食事か温泉に行っているようで、自室にいても聞こえてくるのは朝から降り続いている雨の音と虫の音だけ。普段の生活では、ここまでの静けさを体感することはありません。

この静かな環境を求めて、「太鼓判 花夢花夢」には夏や冬の長期休暇に合わせて学生さんたちが合宿でやって来るそうです。滞在する棟が違っても、高校生や大学生が大勢いれば宿全体が活気に満ちていたと思います。しかしこの日は10月のとある週末。まだ時刻は20時過ぎだというのに、本当に静かです。

部屋にはテレビが設置されていましたが何故か見る気にはならず、ぼんやりと雨音と虫の鳴き声を聞いているうち、だんだんと眠気が襲ってきました。雨音や虫の音などの自然界の音には、人間にリラックス効果をもたらす「1/f(エフ分の1)ゆらぎ」があるといわれています。ネガティブな印象を抱きがちなしとしと降り続く雨ですが、山の夜との相性はいいようで、その音を聞いているうちに気持ちが穏やかになっていくのがわかりました。

 

金峯山寺の朝勤行でさらなるリフレッシュ

前日早く寝たせいか、いつもより早く目覚めた翌朝。朝食まで時間もあるので、修験道の総本山・金峯山寺きんぷせんじ蔵王堂で6時半から行われる朝の勤行ごんぎょうに参加することにしました。宿の方に金峯山寺まで車で送迎していただくこともできますが、1km程度の下り道なので歩いても苦にならない距離です。

勤行が始まると、お堂の中には何人もの修験者さんたちが一斉に唱えるお経や太鼓、鐘の音が響き、まるで非日常空間。たとえ修験道について知らなくても、お経を読むことができなくても、山の澄んだ朝の空気の中勤行に参加するだけで心が洗われるような、背筋がシャンと伸びるような気分でした。

宿に戻ると、温かいご飯や味噌汁、焼き魚に卵焼きなどが並ぶ朝食が用意されていました。ご飯のおかわりまでして食べ終わった頃に覚えたのは、なんだか全身にパワーが満ちているような感覚。宿に到着した際は、山道運転でヘロヘロになっていたというのが嘘のようです。

自然豊かな景色、美味しい料理、そして温泉。「太鼓判 花夢花夢」は忙しい現実に追われる現代人をリフレッシュさせてくれる、まさに癒しのお宿でした。皆さんも、吉野山を訪れた際は「太鼓判 花夢花夢」に泊まって、五感を研ぎ澄まして明日へのエネルギーをチャージしてくださいね。

 

太鼓判 花夢花夢(たいこばん かむかむ)

住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山2041
TEL:0746-32-3071
HP:http://taikoban-yoshino.com/kamkam.html#enkai
 
 
ご予約・詳細についてはコチラ>>>

うぃーだ

うぃーだ

旅と酒ともふもふ動物を愛するアラサー女子。上場企業の広報部や地域情報誌の編集者を経て、「よしのーと」ライター兼吉野ビジターズビューロースタッフに。

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