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吉野のキノコを、学んで食す① ~吉野しめじ編~

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突然ですが皆さん、“しめじ”についてどんな印象をお持ちですか?

「スーパーで安く売られているキノコ」
「美味しいけど、メインにはなれない惜しいヤツ」
「子供が食べてくれない食材」

といった声が聞こえてきそうですが、ここ奈良県吉野町には常識を覆すような美味しい「しめじ」を生み出す生産者さんがいるんです!その方は、山本きのこ園の酒井さん。奥様やスタッフの方々と共に、こだわりと想いの詰まったしめじを生産しています。

しめじ愛が強すぎて、オリジナルキャラクターとTシャツを作ってしまった酒井さん

 

栽培工程見学ツアー

しめじって、瓶から生えてくるんだっけ…とぼんやり知っていたものの、取材に訪れるまで、しめじの栽培工程を理解していなかった私。「ご存じない方が多いですね~」と言いつつ、酒井さんが工場内を案内してくださいました。

ここで、しめじがどのように生産されているのか見ていきましょう!

 

培地づくり~菌の植え付け

簡単に言うと、しめじは培地の栄養と水分だけで育つキノコ。そのため、培地ばいち作りは味を左右する大切な工程なんです。

山本きのこ園で使っている培地ばいちの素材は、吉野の綺麗な水や米ぬか、ふすま(小麦を挽いた後に残る皮)など。また、高級木材・吉野杉を粉砕した木くずも素材の1つとして使用されています。

吉野杉の木くずを利用した培地

素材を混ぜ合わせたら、瓶に詰めて高温の釜で殺菌消毒。瓶の中を無菌状態にすることで、しめじ菌は他の菌に邪魔されることなく育つことができます。殺菌後、一夜明けて瓶の中の温度が下がったら、いよいよ菌の植え付け。1瓶につき約12グラムの菌を入れていきます。わずかそれだけの重さの菌が、成長すると1株のしめじになる…なんだか不思議です。

成長

ここから先、約100日のうちに菌が植えられた瓶はいくつかの部屋を移動していきます。まずは室温20℃程度に管理された部屋で菌を繁殖させます。菌が増えるにつれて瓶の中の白い部分がどんどん広がり、約30日後には次の工程へ。

(左から)10日目、30日目、50日目、100日目のしめじ

次の部屋は先ほどよりほんの少し室温が高く設定されています。部屋の温度は1年を通して一定に保たれているそうで、夏は涼しく冬温かい快適空間です。そんな環境で通年栽培されているから、しめじの価格は年中安定しているのだなぁと妙に感心。

この部屋で約70日を過ごした後、瓶は室温15℃に保たれた最後の部屋へと運ばれます。湿度や光も管理されたこの部屋で、ついにしめじの赤ちゃんが瓶から顔を出します。

赤ちゃんしめじ

収穫

芽が出てから出荷できるサイズに成長するまでの日数は約11日。これまでの工程を思えば、とても短く感じます。立派な大きさに育ったしめじをしみじみ見つめていたら、なんと酒井さんから「収穫してみますか?」とのご提案。「え、素人でもできるの…?」と焦った私でしたが、小学生でも上手に収穫する、とのことだったので挑戦してみました。

「株を真上から包み込むように両手で掴んで、左右に揺するようにしながら引っ張ってください。力はいりません。」

言われた通りにやってみると…。キュポンッ!という擬音が合っているのかわかりませんが、なんとも不思議な感触でしめじが一気に瓶から離れました。表現が難しいけど妙に心地良いあの感触…。一般の方でも見学ツアーに参加すると収穫させてもらえるので、皆さんもぜひ体感してみてください。

 

「吉野しめじ」、いざ実食

収穫されたしめじは、その後検品や袋詰めの工程へと進みます。栽培過程を見学して収穫体験まですると、俄然しめじに愛着がわいてきましたが、その味も知らなければ!ということでいざ実食。あぁ…しめじ、ありがとう…いただきます!

ちなみに、今回私は工場で購入させていただきましたが、生しめじ、加工品ともに通販でも購入可能です。

 

未知の歯ごたえ「生しめじ」

まずは、普段スーパーで買うしめじとの差を探るため、我が家ではよく食卓に上るしめじ料理を作ることに。

いつも通りパッケージを開けてしめじを取り出すと…。あれ?独特のにおいがほとんどない?あのにおいが苦手という方でも、おそらく気にならないと思います。次に裂いてみると…。なんだか手ごたえがしっかりしている!いつものしめじは軽い力でバラバラと小房に分かれますが、吉野しめじは「裂きごたえ」があります。

そして完成したのがこの2品。「吉野しめじは歯ごたえが自慢!」と聞いていたので期待値が大きく上がっていたのですが、その食感は想像をはるかに上回るほどシャッキシャキ!水煮タケノコかと思うほどの食感があり、噛みしめる咀嚼音が骨を伝わって脳内に響きます。

スープパスタにしても歯ごたえは失われず、食べ終わるまでずっとシャキシャキ。こんなに自己主張があるしめじ、スーパーでは出会ったことがありません。実食する前はほんの少し疑っていた「主役になれる吉野しめじ」という謳い文句にも、偽りはありませんでした!

しめじご飯が簡単に作れる「しめじめし」

続いて、山本きのこ園オリジナルのキャラクターと桜の花びらが描かれたパッケージの可愛さに一目惚れして、つい買ってしまった“しめじご飯の素”を使って炊き込みご飯を作ってみました。乾燥しめじと出汁パックがセットになっていて、作り方はそれらを入れて普段通りに炊飯するだけ!調味料不要なので、だれでも失敗なく簡単に作れそうです。

ご飯が炊きあがって炊飯器を開けると、出汁としめじの香りが広がり食欲を刺激します。米に対するしめじの分量は、多すぎず少なすぎずちょうど良いバランス。乾燥させて炊飯しているのに、しめじは持ち味である歯ごたえを残していて、しゃきしゃき感が楽しめます。しかも、生よりも風味が増しているんです!

パッケージの裏には、「乾燥しめじは旨味と栄養が凝縮しています」との記載が。なるほど!日持ちがして味も栄養価もアップする乾燥しめじ、すごいです。今回追加したのは彩りのためのニンジンだけでしたが、ゴボウや生姜を入れて作れば、さらに栄養満点のしめじご飯が作れそうです。

しめじのあられ

こちらは、見た目もネーミングも「そのまんまやん!」と言いたくなってしまう「しめじのあられ」。茶色い傘の部分には乾燥しめじの粒が入っていますが、しめじの主張は強くないので普通のおかき感覚でポリポリ食べられます。

原材料を見てみると、人工着色料などの余計なものは入っていない代わりに、ホタテやかつおのエキス、粉末昆布といった旨味成分を持つ原材料が使われていました。後を引く美味しさに、つい「あと1枚…次で最後にする…」と食べてしまっても体に優しそうです。

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山本きのこ園は、未知の光景が広がりワクワクする、大人でも楽しむことができる場所でした。皆さんも、吉野町を訪れた際は見学ツアーに参加して「吉野しめじ」を食べてみてください。「しめじは嫌い!」というお子さんをお持ちのご家族や「しめじなんてどれも一緒でしょ」という方も、きっと、しめじに対する見方が少し変わると思いますよ!
 

山本きのこ園の商品購入・見学ツアーについてはこちら>>>

 

山本きのこ園

住所:奈良県吉野郡吉野町上市2394
TEL:0746-39-9199
HP:https://www.yamamoto-kinoko.com/index.html

うぃーだ

うぃーだ

旅と酒ともふもふ動物を愛するアラサー女子。上場企業の広報部や地域情報誌の編集者を経て、「よしのーと」ライター兼吉野ビジターズビューロースタッフに。

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