よしのーと!

吉野アンバサダー

今だからこそ見つめたい
吉野に魅せられた旅人2人の見聞録(倉上さん編)

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2020年5月から「吉野ビジターズビューロー」と人手を必要とする地方自治体と旅をしたい人をつなぐ会社「SAGOJO」が組んで本格始動した“吉野アンバサダープロジェクト”。多様なバックグラウンドを持つ約60名が集結し、複数のチームに分かれて商品開発などのプロジェクトに取り組んできました。

吉野アンバサダーは吉野を初めて訪れるという方から何度も足を運んでいる方まで、吉野に対する理解度が様々です。しかし私たちAチームには、すでに吉野の魅力にどっぷり浸かっているメンバーが2人も!お二人とも 「吉野と出会い、考え方や価値観に変化があった」と感じているそうです。そこで前編では倉上さん、後編ではしまもりさんに、それぞれが思う吉野の魅力について語っていただきました。

 

導かれて吉野へ ~見つけた癒しの地、再生の地、吉野~ / 倉上千裕

日本で最も美しい村 国栖

清々しい朝の空気、生気の強い木々の匂い、心地よい川のせせらぎ。ほんの少しの間、川辺に座り自分の内側と向き合う時間。こんなに癒される環境は何とも言えないご馳走です。そんな場所がすぐそばにある、なんて素敵な場所なんだろう。これが初めて私が吉野に行った時の感想です。まさしく私はこの地の持つ魅力の虜になってしまいました。

歴史好きでもない私は吉野の文化も産業も全く何も知らず、「桜の名所」という知識程度しか持ち合わせていませんでした。そんな私を吉野に導いたのは、「HOUSE VISION2 2016 TOKYO EXHIBITION」という展覧会に展示されていた「吉野杉の家」が吉野川の畔に移築されたという情報。展示場で異彩を放っていたあの家が吉野の自然の中にどう溶け込んでいるのかを見たくなって、私は吉野を訪ねました。

その時に宿泊したのが「ゲストハウス三奇楼」でした。私はその後も何度も吉野を訪ねて三奇楼に宿泊し、吉野のディープな場所を巡るバスツアーにも参加。そこで出会ったのは、地元の方々や本格派の吉野ファンの方など単なる観光では決して出会うことができない人たちでした。

吉野山の道なき道を歩き、当時の時代へ思いを馳せる

何度も何度も吉野に通ううち顔見知りの町民さんが増えて、次第にかけられる言葉が「また来たの?」から「おかえり!」へと変わっていきました。そんな人とのつながりはとても心地よく、地域のつながりが強い地域で育った私には懐かしくもありました。

徐々に吉野で暮らすことを夢見るようになった私ですが、当時はまさか自分が吉野の「観光人口」から「関係人口」になるとは思っていませんでした。しかし、今振り返れば、吉野へ導かれたのが必然のように感じられます。今では「次どう動こうか?どう周囲の方々を巻き込もうか」と、ワクワクが止まらない毎日です。

この地には多彩な魅力が存在しています。それは歴史だけではありません。飲食店で見かけることも多い杉箸をはじめとする木工作品、木造建築、建築内装材、伝統文化の和紙……。いつしか私は、吉野の産業に共通するもの、それは全て「森」ではないかと考えるようになりました。

森があること。森を健全な形で管理していること。
それこそが品質の良い木材や美味しい水、澄んだ空気を作り出しているのではないでしょうか。こんな宝物はどんなに便利な都会でも手に入れることはできないものでしょう。

コロナ禍によって、自分を見つめなおす時間が持つことができた人が多いと思います。これまで都会で無理をしていた自分に気づき地方移住を決断する人や、働き方を再構築する人がこれから増えていくように思います。

初めて見た吉野の森

初めて吉野に来たとき、私は日々の生活に疲れ、自分の生き方を考え直す時期にありました。吉野に降り立った時の、緑が目に突き刺さる感覚、肺の深い部位に新鮮な空気が満ちる感覚、内側から癒されていく感覚、まるでしなびた草が早回しの映像のように水分を吸収しニョキニョキと元気になっていくかのような感覚……。味わったのは、なんとも心地よい、まるで自身が再生されていくかのようでした。私は吉野へ導かれ癒され、再生されたのです。

たくさんの人に吉野の魅力を体感してもらいたい。人によって興味の対象は違いますが、吉野で思いのままに行動をすれば、感性に突き刺さる“何か”に出会えると思います。私が出会ったこの感覚を、皆様にもぜひ一度体感していただきたいと思います。

後半:しまもりさん編はこちら>>>

 

倉上千裕

京都市生まれ、東京都町田市在住。建築士・看護師であり一男一女の母。2018年から吉野通いを始め2拠点移住へとシフト中。2020年に立ち上げた【結ほんまち屋敷】はスマイルバスツアー写真展、吉野文学読み語りの会、奈良芸術祭はならぁとの会場に。2021年春、簡易宿泊所【結ほんまち屋敷】を開業予定。

吉野アンバサダー

吉野アンバサダー

奈良県吉野町を盛り上げるため、全国から集結した吉野ファンの集団が「吉野アンバサダー」です。約60人のメンバーそれぞれが独自の経験や特技を生かして商品開発やイベント企画などに取り組んでいます。

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