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山歩き

きのこと苔の聖地「大台ケ原」に行ってきました

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2019年夏、いつもとはちょっと違う奈良旅をしました。

私が苔やキノコが大好きなのを知っている友人の案内で、大台ケ原に行ってきたのです。私が住む東京では、なかなかキノコや苔に出会うことは出来ません。ごく稀に公園の木の根元に、可愛らしい苔やキノコを見かけることがありますが、それはほとんど奇跡!私は、友人の「大台ケ原にはいくらでも生えてますよ」という一言に心躍らせました。

大台ケ原は、奈良と三重の県境にある日本の百名山、日本の秘境100選、日本百景に選ばれていて山全体が特別天然記念物なんだそうです。山全体が天然記念物なんて凄いですね。普段、山には行かない私なので、どれほど美しい自然が広がっているのだろうと未知の世界でした。天然記念物と言われて思い浮かぶのは「オオサンショウウオ」ぐらいの私ですが、俄然ワクワクしてきます。

さて、それだけの自然、聞いただけでも山奥だと想像が付く大台ヶ原ですがどうやって行くんでしょう?今回は、友人に近鉄橿原神宮駅までお迎えに来てもらって車での移動だったのですが、近鉄大和上市駅から大台ヶ原のある上北山村までバスが出ているので、公共交通機関を使っても大台ヶ原を楽しむことができます。

上北山村には温泉宿泊施設もあるのでゆっくり泊まるのも良いですね。車で村に入る頃にはもう十分すぎるぐらいの山奥でした。そして、その山々の眺めは最高です。

まずは大台ケ原ビジターセンターへ向かいます。こちらが大台ケ原散策の起点となる場所で、木のステキなロッジ風の建物です。

ここでは大台ケ原の自然や周遊ルートなんかも詳しく知ることができます。記念スタンプを押したり、床がガラス張りになっていて木々を見渡すことができるブースがあったりして、歩き始める前に予習をすることができます。ここでトイレもしっかり済ませて出発しましょう。

ちょっぴり湿った森の香りを思いっきり吸い込みながら進んで行くと、もうそこはアニメに出てくる森の中の世界。ワクワクするような森の中では、キレイな水が石伝いにぴょんぴょん飛んでいたり、童心に戻って草の中から板張りの歩道へ飛び乗ったり。ちょっとしたアスレチック気分を楽しむことができます。

ちなみに、普段、運動をされない方でもご心配ありません。初心者から上級者まで楽しめる様々なコースがあるので、無理せず自分の体力にあったコースを選ぶことが出来るんです。スタッフさんがとっても親切なので、ビジターセンターで出発前にじっくりご相談するのも良いですね。登録ガイドさんもいらっしゃるそうで、こちらに申し込めばコース設定も安心ですし、何より大台ヶ原の魅力をくまなく満喫でるのでオススメです。
http://vill.kamikitayama.nara.jp/guide/

今回、初心者の私はそこまで起伏の激しくない東大台(ひがしおおだい)のコース。
もちろん、山奥の森に足を踏み入れる訳なので、しっかりした装備でお出かけする必要がありますが、初心者でもすごく楽しく歩くことができます。

こんな感じのなだらかな道のりがほとんどです。

森に入っていくと、すぐに念願の苔やキノコたくさんいる!のでテンションがすごく上がります。苔は、湿った森の中でゆっくりゆっくり成長して、森の深みを演出してくれるのが魅力です。この苔がどれくらいかけてこんなに倒れた木にびっしりと芸術作品のようについたのでしょうか??先程まで降っていた雨の水滴でキラキラの宝石みたいな苔を見つめて、幸せな気分に浸ることができます。

そして、そんな苔の合間から生えたキノコ、木の隙間から顔を出したキノコも可愛らしいのです。こんな苔やキノコを生で見ると「森って生きてるんだなぁ」と感じます。

どうですか?こんなジブリやくまのプーさんのような世界が、足を踏み込んだ途端に広がるのですから、散策してみたいと思いませんか?私は写真を撮ったり眺めたりに夢中でした。

近年では、「コケ女子」、「キノコ女子」が出現するぐらい、この森の脇役達はブームになっており、キノコリウムや苔リウムといった癒しアイテムも人気な昨今です。お家で可愛いガラス瓶の中に小さな森を作るのも素敵ですが、皆さんにはぜひ、大台ケ原の大自然の中で森の香りを胸いっぱいに吸い込みながら、存分に色んな種類のキノコや苔を眺めて日頃の心の疲れを癒して欲しいなぁと思います。

もちろん、キノコや苔以外にも様々な楽しみのある大台ヶ原。断崖絶壁の展望台「大蛇嵓」は必見です。その大蛇嵓に近づくにつれ、急に岩場が増えて来るため、スマホもしっかりしまって道を選びながら岩場を上がります。上がって行くものの、ちゃんと戻れるのかな?とちょっと不安がよぎりますが、そこに広がって来たのは「どーーーん!」と一枚岩に広がっていてその下は断崖絶壁。勇敢な方は先の方まで行ってみて下さいね。私は足がすくんでしまって無理でした。

でも、まるで水墨画のような深い谷の景色は素晴らしいです。雲が下に見えている!と思いながら、岩にしがみつく私でしたが、美しい景色をしっかり目に焼き付けました。

冒頭にも書きましたが、比較的緩やかな台地を散策しながら、最後にちょっと頑張ったらこんな景色が広がるのですから、ぜひ皆さん行ってみて下さいね。

森を散策した後は、ビジターセンターへ戻って美味しいお昼です。ビジターセンター内には食堂もあってペコペコのお腹を満たしてくれます。カレーもスパイシーで本格的なお味でした。

上北山村の情報は
http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/

よしのーと編集部

よしのーと編集部

吉野の隠れた魅力や楽しみ方を紹介いたします。

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