春の桜で吉野山が賑わう雰囲気も好きですが、春とは空気感の違う色鮮やかでもあり静粛なイメージの吉野山。
神聖で凛とした冷たい風を頬に感じながら、シロヤマザクラの紅葉を楽しむのも大人の遊び方といった感じで街並みを歩くもよし、車で観光車道から何万本もの色彩豊かな紅葉を眺めるのも楽しみ方の1つといえるでしょう。
まずロープウェイから眺める目に飛び込んでくる真っ赤な木々、その中をロープウェイの中からゆっくりと360℃見渡して頂きたいと思います。華やかでも落ち着いた風景に感嘆すること間違いありません。真っ赤に萌ゆる風景に名残り惜しみつつ降りると、下千本に到着します。
下千本から中千本の街並みも春の賑わいとは違い、ゆっくりとお土産物も選べるのが秋の良さ。金峯山寺蔵王堂まで歩くと、吉野山の全体を見渡せる場所もあるので、また紅葉が目に飛び込んでくるかと思います。さすが世界遺産の吉野山、春だけが魅力では無いことに気付いて頂けるはずです。
金峯山寺蔵王堂を通って、ゆっくり上千本に登って行く途中には、吉水神社や勝手神社がありますので、寄り道しながら、その場ごとに吉野山の景色を満喫してみてください。
見上げれば空の青と紅葉のコントラスト、身体も心も癒され温かくなってきます。勝手神社は夏も涼しい木陰がありますが、ベンチに腰掛けて手持ちのポットの珈琲を飲むにも良い場所です。
中千本辺りも、春の忙しなく華やいだ印象とは違う、大人が1人でもロマン溢れる観光をゆっくりと満喫できるオススメスポットです。少し肌寒い秋風は、歩いて火照った身体を優しく包んでくれます。
道には様々な種類の葉が至る所に落ちていますので、それらを踏み分けつつ、寄り道しながらゆったりとした時間の流れを堪能してみてください。風に吹かれて肩に乗った綺麗な色の葉っぱは、どうか記念にお持ち帰りくださいね。歩いて火照った身体も落ち着いてきた頃には、徐々に冬を迎える、秋の気配を体感することができます。
上千本への坂道は登りが険しいですが、ぜひ見て頂きたいのが、吉野水分神社と高城山展望台からの秋の絶景です。高城山展望台までの道は、どっしりと構える見事な吉野山を一望できるため、紅葉の時期にはライトアップされます。荘厳で自然が描き出した秋の吉野山を1度はご覧ください。(ライトアップ期間は毎年変動しますので、吉野山に行かれる前にご確認されることをお勧めします。)
散策しながら、途中のお店でお鍋をつつき日本酒を嗜むのもよし、温かい葛湯を飲みながら紅葉を満喫するもよし。秋も吉野山の葛を使ったお料理を楽しむことができます。吉野葛は有名ですので皆さんご存知だと思うのですが、お鍋に葛切りを入れて召し上がってみてください。喉越しや食感、そして栄養も豊富で、歩き疲れた身体にもってこいです。また、身体が温まるので秋や冬にはお勧めの一品です。
また、観光車道からは、車でドライブしながら吉野山の佇まいも見ることができます。絵の具で描いたような山の色鮮やかさで、吉野山全体を見渡せるので、車で行かれる方は、駐車場に車を停めて如意輪寺にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。大きく深呼吸し日常を忘れられる名所、吉野山の持つパワーに癒されること間違いありません。
また、ご紹介した前述の楽しみ方とは別に、ロープウェイの降り口から右に進んで行くと紅葉の中を七曲りの坂道を見下ろすことができます。ぜひ空や紅葉の赤・黄色の絨毯をゆっくりを観ながら落ち葉狩りを楽しんください。
文字通り曲がりくねった坂道で、ロープウェイの降り口(千本口駅)と近鉄吉野駅をつなぐ道なのですが、色鮮やかな景色の中をカメラ片手に歩くと、秋の風情を写真に収められます。遠くから見る樹木とは違い、間近で秋模様のアーチをくぐりながら、マイペースに紅葉を堪能することができます。
四季折々の吉野山の良さは、春の桜はもちろんですが、夏が終わって冬支度を始める街並みや、木々の色合いも一見の価値があります。交通手段は、徒歩の方は、近鉄吉野駅からロープウェイで向かうことができます。また、マイカーでのドライブにもお勧めです。
金峯山寺蔵王堂や能天大神、吉水神社といったご紹介しきれない観光名所や、宿坊寺院・旅館もあるので、日帰り旅だけではなく1泊2日でゆっくり回る旅も良いですよ。関西圏の方は、日帰り旅行も可能なので、気分転換や自然のパワーを貰ってリフレッシュしに来てください。
日常とは違う壮大で色彩豊かな世界遺産吉野山の秋を是非ご堪能下さいね。