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奈良県特産「磨きやすい歯ブラシ」~工場見学&マイ歯ブラシ作り体験記~

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朝・昼・夜と毎食後お世話になる“歯ブラシ”。その歯ブラシがどこでどうやって作られているかなんて、気にしたことがない方が大半ではないでしょうか。実は現在販売されている歯ブラシは多くが外国産ですが、磨きやすさを追求したこだわりの歯ブラシを製造する企業が奈良県にはあるんです。

株式会社ライフレンジ(奈良県桜井市)と株式会社タナベ(奈良県磯城郡田原本町、以下「タナベ」)が共同開発している歯ブラシは、その名も「『磨きやすい』歯ブラシ」というド直球なネーミングのシリーズ。小さめヘッドと握りやすいグリップの「極」、幅広ヘッドの「ワイド」、小さな子供たちへの思いやりが詰まった子供用歯ブラシなどの製品が展開されています。

時々億劫に感じることもある歯磨きですが、使い心地のいい歯ブラシに出会うことができれば楽しい時間に変わるはず!そこで「お気に入りの1本」といえるような歯ブラシを求めて、奈良県内で唯一(※)工場見学と歯ブラシの製造体験ができるタナベの工場へ伺い、実際に体験をさせていただきました。

※タナベ調べ

ワクワク感が高まる予習&準備タイム

見学ツアーは工場内での注意点などを紹介する動画の視聴から始まります。工場見学は小学生から可能なので、子供達でも楽しめるように動画はテレビゲームのような雰囲気で展開していきます。オリジナルキャラクターが登場してクイズを出題したり、後で行う歯ブラシ作りの練習をさせてくれたりするので、動画を見ながら大人もワクワク!

動画を見終えたら男女別に更衣室へ。キャップをかぶり、着衣の上から全身を覆うつなぎタイプの防護服を着て、フードもすっぽりかぶります。製造フロアでは目元以外の皮膚はすべて覆わなければいけないため、ツアー参加時は女性もズボンと靴下かストッキング着用で訪れるのがベスト。スカートや足首が出るフットカバーはNGなのだそうです。ただし、女性用ズボンや新品の靴下は用意されているので、万が一の場合でも心配はいりません。

着替えを終え2階の製造フロアへ上がると、目の前には「DO NOT ENTER」と書かれたドアが現れます。歯ブラシは厳重な衛生管理の下製造されているため、防護服に着替えただけではまだ製造フロアに入ることはできないのです。

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工場内に入る段階で自分の靴からスリッパに履き替えていましたが、ここで製造フロア用のスニーカーへとチェンジ。さらに全身を粘着クリーナーでコロコロし、手を洗浄・消毒してからエアシャワーに入って風の力で小さなゴミまで取り除きます。全身防護服姿でエアシャワーに入ると、なんだか宇宙飛行士にでもなったかのような気分。テンションが上がります!

 

ドイツ製マシンと繊細な職人技に驚く製造フロア見学

製造フロア内は何台ものマシンが稼働する大きな音が響き渡っています。案内をしてくださる工場長の声に耳を澄ませ、まずは歯ブラシがどのようにして作られるのかを見ていきましょう。

①マシンに歯ブラシのハンドルをセット

歯ブラシのハンドルはマシン左側から右側(写真の左手前~左奥~右)へと流れていく

マシンで歯ブラシのハンドル(持ち手)に植毛するためには、すべてのハンドルが一定の方向を向いている必要があります。箱からマシン左部分のレーンへと移す際どうしても上下左右あちこちを向いてしまうハンドル。正しい方向(ヘッド部分が左手、植毛する穴が上向き)を向いていないものはマシンを流れていく中でセンサーにより察知されて並べなおされます。

見学ツアーではデモンストレーションのため、わざとハンドルの向きをぐちゃぐちゃにしてマシンに投入することもあるそうです。その状態でスイッチをオンにすると、違う方向を向いているハンドルは瞬時にクルッと反転して正しい向きに修正されます。ハンドルの上下をかえす素早さは、まるでたこ焼き職人の早業のよう…。見ていて飽きません。

②植毛

続いて、ハンドルはマシン右部分に送られて植毛されます。“植毛”といっても、ブラシを接着剤でくっつけるわけではありません。長さ5センチほどの毛を真ん中で半分に折って穴に押し込み、その上から「平線」と呼ばれる金属片で押さえつけるのです。平線はペンチで毛を引っこ抜きでもしない限り外れることはないので、誤って口に入る心配はありません。

植毛の瞬間を目撃すべくマシンを睨んでいても、早くてなかなか肉眼では捉えることができません。それもそのはず。このマシン、1分間で約30本の歯ブラシを製造できるそうです。こうして植毛されたタナベの歯ブラシは1穴あたりの毛の密度が他社製品よりも高いため、より汚れを落とすことができるのだそうです。

③検品

マシンから出てきた歯ブラシは最後に目視で検品され完成となります。良し悪しがわかるようになるまで半年、一人前になるまで1年はかかるという検品作業。繊細さが求められる作業なので男性よりも女性の方が向いているそうで、この日製造フロア内にいた方はほとんどが女性でした。

 

オリジナル歯ブラシ作り

普通の歯ブラシができる過程を見学した後は、オリジナルのピンポイント用歯ブラシ作りを体験!25色あるハンドルの中から好きなものを2本選んで植毛機にセットしたら、手首とハンドルを持つ指先をしっかりと固定します。こちらの植毛機は完全手動。右手でマシンの取っ手をつかみ、工場長の「いち、にっ!」という掛け声に従って取っ手をぐるっと1周させると…ざくっ!ハンドルを持つ指先に少し振動が走り、あっという間に植毛完了です。

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別の機械でブラシの先端を山型にカットしたら、パッケージ台紙をデコレーションしていきます。己の感性のままに装飾すれば良いのですが、用意されているシールやマスキングテープはどれも可愛いし、サンプルを真似するにしてもどれも素敵だし…悩みます!歯ブラシの色合いと柄の組み合わせも考えると、時間がいくらあっても足りなくなりそうです。

色々と試して満足がいく仕上がりになったら、台紙とパッケージを圧着させます。包装機にパッケージ、歯ブラシ、台紙の順番でセットし、ボタンを押すと約5秒で完成。使うのがもったいなくなる、自分だけのオリジナル歯ブラシの出来上がりです。

この工場見学ツアーでは自分で作った歯ブラシ2本を持ち帰ることができるほか、タナベ製品をはじめ、工場だけのオリジナル歯ブラシを購入することも可能です。製造工程を見学して自分だけの歯ブラシを作れば歯磨き嫌いな子供たちもきっと好きになってくれるはず。大人も、これぞ!というお気に入りの歯ブラシ製品に出会えることでしょう。

 

株式会社タナベ

住所:奈良県磯城郡田原本町千代828
TEL:0744-33-5611
HP:http://www.jukichi.jp/
 
【要予約】工場見学ツアー・歯ブラシ作り体験
開催日:平日のみ(予約制)
所要時間:約90分
参加人数:2名~10名程度(6歳以上~)
料金:3,500円(税込)
申込方法:株式会社タナベHP 「お問い合わせフォーム」より

うぃーだ

うぃーだ

旅と酒ともふもふ動物を愛するアラサー女子。上場企業の広報部や地域情報誌の編集者を経て、「よしのーと」ライターに。

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