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伝統産業

日本最古の高級和紙 吉野での和紙漉き体験

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こんにちは、私は奈良女子大学で学んでいる留学生の高麗です。

この度、非常に古い歴史と豊かな自然で有名な奈良県吉野町でインターンシップ生として受け入れて頂きました。今回は、吉野町に伝わる伝統的な和紙漉き(すき)体験をさせて頂きましたので、その時の体験についてお伝えしたいと思います。

太古の昔、天武天皇が、王位継承を争って吉野町国栖地区に避難した際、その地の人々にかくまわれたことから深く感謝し、国栖の人々を愛し、和紙の製法を伝えたと言われています。

その当時(1300年以上前)に伝えられた和紙の製法は、現在でも、この地域において受け継がれています。上質な和紙作りの秘訣は、冬の寒い時期に、奇麗で純度の高い水にさらすことにあります。その伝統的な和紙作りの製法は吉野川の清流によって育まれてきました。ちなみに、国栖地区で作られた和紙は、柔らかく質感が深いため、多くの人に愛され、今では日本の伝統工芸の代表格となっています。

今回、私がお伺いした福西和紙本舗は、天武天皇の時代から伝わる和紙製法を受け継ぐ、数少ない手作りの製紙工房です。1300年以上前からの製紙の伝統を未だに保っているだけでなく、その製紙技術を、継続的に今も改善を行っています。

ちなみに、福西和紙本舗で作られた和紙は、古い書物、工芸品、美術品など、多くの分野で利用されており、日本の国宝や重要文化財の修復、ヨーロッパで展示されている文化財の修復をはじめ、国内外の多くの有名な芸術家が福西和紙本舗の和紙を利用しています。

お伺いさせて頂いたこの日、私は、和紙作りと色付けの工程を体験させて頂きました。
 

和紙作りと色付けの工程

1.楮に和紙漉き用の箱を入れる

楮(こうぞ:和紙の原料)の樹液が入った水桶の中に、ザルよりも細かい網目の和紙漉き用の箱を入れます。

2.着色料を塗る

和紙漉き用の箱を使って和紙を漉いた後、様々な色の自然素材(花や草木など)で作られた着色料を塗っていきます。この着色作業では、個人の好みで色やデザインの配置を決めていくことが出来ます。

ここで決めた色やデザインが、和紙の完成形となるため、慎重に選んでいきます。

着色作業

▲着色作業を行っているところです

3.和紙漉き用の箱を、楮に浸して漉く

和紙漉き用の箱を、再度、楮(こうぞ)の樹液が入った水桶の中に浸して漉いていきます。

4.汚れを取り除く

漉き終わった和紙を箱から取り出して、汚れがあれば取り除いていきます。

これで完成です!

出来上がった和紙の色は、お菓子屋さんに並んでいるマシュマロみたいにカラフルです!
福西和紙本舗で乾燥を行って頂いた後、翌日には、自分で作った和紙を受け取ることが出来ます。和紙作り体験の後には、福西和紙本舗の紙漉き工房内と和紙が保管してある部屋を訪問しました。部屋の中には、これまで福西和紙本舗で作られた芸術作品がたくさんあります。

机の上には、さまざまな色や形をした和紙があります。
それらの和紙に少しだけ触れさせて頂きましたが、厳かな中にも伝統を感じて、幸せな気分になります。

こちらを見て下さい。吉野町長が、映画監督の川瀬直美さんに送った賞状です。和紙の背景には、川瀬直美さんが撮影した映画「Vision」のタイトルの透かしが入っています。

今回、私は福西和紙本舗の6代目にあたる福西正行さんに紙漉きを教えて頂きました。
福西さんは、ご夫婦で和紙漉きの作業を分担しており、このような方々が日本の伝統工芸を守り抜かれていることを理解しました。福西さんは、近年、外国人留学生からの訪問が増えてきており、吉野町に受け継がれてきた伝統文化を、以下ように伝えたいと仰っていました。

この小さな町では、交通の不便さ、人口の減少、そして経済の衰退に伴って、ひと昔前の繁栄は衰えつつあります。しかし、吉野町の伝統工芸を代々受け継いでいくことを選択する職人や年配者は、まだたくさんいます。 人々は不滅であり、文化は不滅ですからね。

【余談】
この日、偶然ですが、多くの日本の高校生が、和紙漉き体験に来ていました。福西和紙本舗では、ぽっちゃりしたかわいい黒猫を飼っているため、高校生たちは、太陽の下で自由に遊んだり、寝転がったり、歩き回ったりしている、愛らしい猫と一緒に遊んでいました。
次回、福西和紙本舗に来た際には、この可愛らしい黒猫にまた会えるのを楽しみにしています!

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